骨髄バンク ―― 誰かの命に なれる時 ―― この記事は 勧誘ではありません。 骨髄バンクとは 何なのかを 知ってほしいのです。 hideさんも『皆さん どうぞ登録してください』なんて 一言も言っていません。 でもきっと 真剣に受け止めたからこそ 行動で示し多くの待っている人々の為に 骨髄バンクの存在を知らせたかったのだと思います。 この記事は そのhideさんが登録した “骨髄バンクって何?”って 思ってくれた人の為の情報です。 登録しようかな?と現在思っている方  そして興味を持った方この記事を読んで  あなたの意志で行動して下さい。 自分でやりたい事  自分にできる事を あなたが考えて あなたが決めて下さい。 人の命にかかわる事です。 一時の感情ではなく 自分の意志と責任で 登録して頂きたいのです 登録することに達成感を持つような事ではないのです 登録が完了(ゴール)ではなく始まりです 全てを理解したうえで 真剣に自分の意志で スタートラインに立って下さい 自分の意志で動くということは  動ける状況を自分で作る事でもあります 家族や恋人にあなたの意志をきちんと理解してもらう事が 登録の際に重要なポイントになるのです 自分には出来ないと思っても それも参加の一つです それだけ真剣に考えての事ですから――― そして あなたに芽生えた知識の花を枯らさずに 誰かにも分けてあげて下さい いつか来るかもしれない連絡を 最初に抱いた気持ちで受け止められるよう・・・ 骨髄バンク・ドナーの部屋を自分の心に作れる人に スタートラインに立ってもらいたいと思い この情報を載せます ――― きっかけを作ってくれたhideさんに 敬意をこめて――― A K I H I R O

骨髄移植について ・どんな病気の人が骨髄移植をするの? 血液のガンにかかってしまった人たちです。 代表的なのは白血病です。白血病は種類も多く、急性リンパ性白血病 ・急性骨髄性白血病・慢性骨髄性白血病などがあります。 再生不良性貧血・先天性免疫不全症などの病気にも、移植が必要とされます。 ・特別な人にしか、そういう病気ってないんでしょ? いいえ。私達にとって恐いのは、全ての人に白血病が 突然発症する可能性があることです。 ・骨髄って体のどの部分なの? 骨髄とは、骨そのものではありません。 骨の内部はちくわみたいに空洞で、その中はゼリー状に なっているのです。そのゼリー状のものが骨髄です。 ・なんで移植をするのに、体の中で骨髄が選ばれたの? まず血液の成分の働きを見てください。
血液成分役目不足や異常が起こった場合
赤血球
白血球
血小板
体内に酸素を運ぶ
病原体から体を守る
出血を止める
貧血が起こる
感染症が起こりやすくなる
出血しやすくなる
このように血液は血液でも3通りの役目があります。 骨髄は骨髄液で満たされていて、その骨髄液の中身は赤血球・白血球・血小板などの 血液成分のもとになる骨髄幹細胞が含まれていて、それが血液を作るのです。 骨髄は 血液を作る製造工場 なのです。 だから工場が活動していても、不良品ばかり作ってしまう壊れた工場では、 体に必要な正しい血液を作る働きをしなくなってしまいます。 そのため正しい血液を作る工場に変えなければなりません。
・移植ってどんなことするの?  移植といっても、ドナーの体の一部を切り取って患者に移植するものではありません。 骨髄移植とは、健康なドナーから、骨髄液を患者に点滴で注入することです。 まず患者は、移植の約2週間前から大量の抗ガン剤の投与や放射線照射によって、 先ほど述べた工場の活動を停止させ、不良品を含め工場を破壊します、 命の元ともいえる血液達を壊す<という事は、免疫力は低下し感染症などにかかり易くなり、 極めて危険な状態になります。 患者は激しい吐き気や全身の脱毛などの副作用に耐え、無菌室であたらしい工場(骨髄液)を 待つのです。 この段階で、患者は後戻りすることは決してできません。新しい骨髄液を受け入れるために、 不良品の骨髄液の働きをゼロに近い状態にしています。そしてこのあたらしい状態は、 血液を作る工場がないということです。よって、新しい骨髄液が注入されなければ 死を意味する事になるわけです。 ・今、骨髄を必要としている人達って何人ぐらいいるの? 骨髄バンクに登録している人は6,372人です。(H10年4月作成時) (H13年5月末 10896人) ・現在ドナー登録している人はどのくらい? 今年で財団ができて6年半ですが、この6年半で今年の夏から秋にかけて 当初の目標だった10万人になります。 現在は、患者の移植後の経過をより良くするため、DNAレベルまで絞り込んだ 検査をしています。そのため、さらに多くのドナーが必要となってきており、 30万人を目標としています。  (H13年5月末 137323人) アメリカでは、220万人の人達が登録しています。 ・今までにどのくらいの人達が移植しているの? 6年半で1,506人です。(98年5月現在) (H13年5月末 3264人) ・どうして他人から移植するの?肉親からすればいいのに。 もちろん、肉親関係全てを調べても見つからないときに、こちらの財団に登録をします。 血液型にABO式があるように、遺伝子にもHLA型という方があり、両親から半分ずつ遺伝的に受け継ぎます。たとえ4人も兄弟がいたとしても、その確率は1/4です。 <例>     親  A ・ B ――― C ・ D 親 ↓ ―――――――――――――――――――――――― ↓       ↓ ↓       ↓    A ・ C    A ・ D    B ・ C    B ・ D     1/4 1/4 1/4 1/4 しかし親子ではまれにしか一致せず、他人では数百〜数万分の1の確率でしか一致しません。 そのためたくさんのドナーが必要なのです。 骨髄バンクについて ・ドナー登録をしたいと思ったとき、一番最初にどこの連絡すればいいの? どこにお住まいの方でも  0120−445−445 のフリーダイヤルにおかけ下さい。 お電話を頂くと “チャンス” というパンフレットに送ってもらえます。 ・ドナーって誰でもなれるの?

ドナー登録できる方

◆年齢が18歳から55歳までの健康な方
◆骨髄提供の内容を十分理解している方
◆骨髄提供について家族の同意を得ている方

ドナー登録できない方

◆病気療養中または服用中の方
(特に気管支ぜんそく、肝臓病、腎臓病
糖尿病など、慢性 疾患の方)
◆悪性腫瘍(ガン)糖尿病(慢性関節リウマチなど)
心筋梗塞、狭心症、脳卒中
悪性高熱症などの既往歴がある方
◆最高血圧が151以上、または89以下の方
最低血圧が101以上の方
◆輸血を受けたことがある方、ウイルス性肝炎
梅毒など人に移る恐れがある感染症の方
貧血の方、血液の病気の方
◆体重が男性45s・女性40s未満の方
標準体重より40%超過の方
【標準体重=(身長−100)×0.9s】

・適合までの全課程は?                 骨髄移植推進財団に電話で資料請求する 財団から骨髄バンクの手引き「チャンス!」が送られてくる 「チャンス!」の巻末ハガキで登録の申し込みをする 紹介ハガキを受け取る 血液検査を受けに行く 登録確認の通知を受け取る ドナー候補者に選ばれる ドナー候補者の一人として選ばれたときは、財団からご連絡します。 HLA型により適合する確率が違うため、 ドナー登録から数ヶ月後にある場合もあれば、数年以上ない場合もあります。 コーディネーターとの面談 血液検査を受ける コーディネイターとの面談、最終同意書に署名する 健康診断を受ける 自己血輸血用の採取 入院 骨髄採取 退院

・適合するとなった場合、終了までにかかる日数はどのくらい? ドナーの都合や連絡などの日数を省き、必要日数だけだと1週間〜2週間位です。 ・自費が必要になることってあるの? 最初にドナー登録をするときの病院までの交通費のみです。 3次検査以降は交通費も支給されます。 ・仕事や学校を休むときに何か証明書って出してくれるの? あります。 ―――AKIHIRO談「これは大丈夫です。きちんとどこに出しても 通用する証明書を頂けます。この両目で見て来ました。」 ・仕事を休むことに休業補償とかあるの? あくまでも善意による骨髄液提供ですので、休業補償はありません。 公務員や一部企業では、骨髄ドナー休暇制度が導入されているところもあります。 ・どこから、どのくらい骨髄液を採るの? 骨髄液は腰の骨から採ります。 採る量は患者の体重によって異なります。 また、ドナーの体重毎にも採れる基準が設けられています。 通常、骨髄液が元に戻るまで2週間ぐらいです。 その間も日常生活に支障はありません。また、骨髄液採取に伴う 貧血を予防する為、あらかじめ骨髄提供者本人の血液を採取しておき 骨髄採取時に輸血します。 ・骨髄液を採るのって痛いの? 採取するときは全身麻酔の為、痛みはありません。骨髄液採取後 麻酔からさめると採取した場所が痛みます。痛みの程度は 個人により異なりますが、鎮痛剤で翌日には軽くなります。 気持ち悪くなることもありますが、二日酔いと同じで次の日には良くなります。 まれに痛みが1〜2週間つづくこともあります。 ・骨髄液提供に危険性ってある? 骨髄液採取で健康が害されないとは言い切れませんが、 ほとんどの人が3・4日の入院で元気に帰って行きます。 全世界で6万以上の移植例がありますが、死亡例は2件のみです 全身麻酔は麻酔科医の管理の下で、安全に十分注意をはらって行われます。 非常に低い確率とはいえ、致命的な事故が起きることがあります。 そのためにドナーは健康な人をと条件を厳しくしているのです。 最近では、麻酔の管理にモニター機器が導入され、完全性は大幅に 改善されています。 ・ドナー登録後に断ることはできるの? あくまでも善意の自由意志によるものなので、 登録後も各段階ごとに意思の確認があり、その間ならばいつでも 拒否することができます。但し、ドナーになることの 最終同意書に署名されますと患者は移植に備えて骨髄液の働きを ゼロに近い状態にします。 この時期に提供拒否されると患者は血液を作り出すことができないため、 致命的になります。 最終同意後の提供拒否はできません。 ・手術後、体の調子がわるくなったらどうすればいいの? 3次検査の時点で、個々にコーディネーターが一人ずつきます。 コーディネーターは一週間おき、一ヶ月おきにフォローの電話を入れて ドナーの健康をチェックしてくれます。調子が悪いときは、 コーディネーターの方に直接連絡して下さい。 ・そのときにかかる通院などの費用はどうなるの? もちろん財団の方で、負担いたします。 ・1回提供してもう1度ってこともあるの? ありうることです。 1度提供して頂くと、1年間は提供できません。 提供経験のある方々の全体数の3/4は、またやっても良いと アンケートに答えています。 ・ドナーは患者をえらべるの?また、ドナーは患者とあえるの? 全て公平に行いますので、患者を選ぶことはできません。 また、骨髄バンクの事業の公平な運営とお互いのプライバシー保護のため 会うことはできません。個人が特定されてない手紙の交換はできます。 原則として、ドナーの骨髄液採取も患者とは違う病院で行います。 ・もし事故が起きたとき、何か補償してくれるの? 骨髄液提供で万が一の事故が起きた場合、骨髄バンクを通じて 最高1億円の補償制度があります。死亡時には一律1億円、 後遺症の場合は程度により300万円〜1億円の補償となります。 ―――AKIHIRO談「財団の方はこのお話しの後、 お金で済む問題ではないんですけど、としんみりしてました。」 ・登録データーは他の目的に使われたりしないの? 骨髄バンク事業以外に使用されることは一切ありません。

骨髄液を採取する病院は、名前を聞くと誰もが知っている、 有名な病院で行うとのコト。だから感染症などの心配は ほとんど無いそうです。 もし、感染症などが出てしまったら、病院の知名度に 傷がついてしまうので病院側も万全を期しています。 ドナー登録、及び検査は無料で行われます。 登録の際かかせない白血球のHLA型を調べる検査費用は、 一人3万円〜8万円も かかっているそうです。 その費用は、骨髄バンクの運営資金から使われています。 こんなにも活動しているのに 『何故 一般の人達に浸透しにくいのでしょう?』 と聞いたら すごく簡単で納得のいく返事が返ってきました。 『健康な人は病気の事を考えないからでしょう』 本当にそうだなって思いました。 h i d e さんがドナー登録をした事で財団にどのような 効果があったのですか? と聞くと 「 骨髄バンクと言う名を大勢の人に意識してもらうようになった事です 」 という言葉が返ってきました。 「 h i d eさんが亡くなった後もコンタクトを取ってくれる人がいて、 十分に役にたってます」ともおっしゃっていました。 一見 あっけないように思える言葉ですが h i d eさんが病気を 知らない多くの人達に 一度に骨髄バンクと言う名を広めた事って すごい事なんだと あらためて思いました。 ここに載せてある情報は全てではありませんが重要だと思われる事です。 もっと詳しいことを知りたい人は財団の方にお問い合わせ下さい。 連絡先 団体名    財団法人   骨髄移植推進財団 住所      〒1 6 0 − 0 0 2 2 東京都新宿区新宿2−13−12 新宿 I S ビル 8F フリーダイヤル 0120−445−445 インターネット http://www.jmdp.or.jp/ 募金 ・ 一口  1,000円 (何口でも可) 郵便振替口座番号 00130−2−609313 この記事を作るに当たって 忙しい中 時間を取って下さった M i q u e 様 御協力 ありがとうございました。 1998.5.18 財団法人 骨髄移植推進財団にて




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